民泊・旅館業申請

店舗開業で失敗しない物件選び|居抜き物件の残置物トラブル

お店を新しくオープンするために物件を借りたり買ったりする瞬間は、とてもワクワクするものですよね。しかし、ここに大きな落とし穴が隠れています。

特に、前のテナント(お店)が使っていた設備がそのまま残っている「居抜き物件」や「残置物(ざんちぶつ)」がある物件を選ぶときは、事前の確認を怠ると、オープン前に数百万円単位の予想外の出費が発生してしまうことがあります。

今回は、実際によくあるトラブルの具体例を挙げながら、失敗を防ぐためのチェックポイントと、本当に信頼できる行政書士の選び方について、どこよりも分かりやすく解説します。

1.居抜き物件でよくある「残置物」のトラブル具体例

居抜き物件とは、前のオーナーが使っていた内装やエアコン、厨房機器(冷蔵庫やコンロなど)がそのまま残されている物件のことです。初期費用を抑えられるため非常に人気がありますが、実はここに「言葉の罠」があります。

1-1.「使っていいよ」の落とし穴

例えば、物件を借りる契約の前に、不動産会社の担当者から「前の人が置いていったエアコン、まだ綺麗だからそのまま使っていいですよ」と言われたとします。

「ラッキー!エアコン代が浮いた!」と思ってそのまま契約し、いざ開店準備を始めようとスイッチを入れても、全く動かない。不動産会社に「動かないので直してください」と連絡すると、このような返答が返ってくることがあります。

不動産会社の回答例
「私たちは『残していったものを使っていい』とは言いましたが、『今も問題なく動く』とは言っていません。使いたいのであれば、契約する前にご自身で動くかどうか確認するべきでしたね。修理代は自己責任になります」

1-2.業務用エアコンの修理・交換費用の現実

「それなら修理すればいいや」と軽く考えてはいけません。一般的な家庭用エアコンとは異なり、店舗などで使う「業務用エアコン」は構造が複雑でパワーも必要なため、修理や交換の費用が非常に高額です。

  • ・一般的な修理費用: 5万円〜15万円(基盤やコンプレッサーの交換など)
  • ・本体ごとの交換費用: 30万円〜100万円以上(工事費込み)

せっかく予算を決めて開業しようとしているのに、スタート直後にこれだけの「想定外の費用」がかかってしまうのは、ビジネスにとって致命傷になりかねません。

2.なぜトラブルになる?契約書の「現状渡し」と「免責条項」

「そんな理不尽な話があるの?」と思うかもしれませんが、法律や契約の世界では、書面の内容がすべてになります。なぜこのようなトラブルで借りた側が負けてしまうのか、その理由は契約書の中にあります。

2-1.残置物は物件の「設備」ではない

不動産契約において、物件のオーナー(大家さん)が修理する義務を負うのは、あくまで「設備」として契約書に明記されているものだけです。

「残置物」は、前の住人が勝手に置いていった(あるいは大家さんに権利を譲渡した)「おまけの荷物」という扱いになります。そのため、大家さんや不動産会社には「それを預かっているだけ」のスタンスであり、動くかどうかを保証する義務が最初からありません。

2-2.契約書に書かれている「免責条項」

契約書を細かく読んでいくと、多くの場合、以下のような一文が記載されています。

  • 「本物件内の残置物について、貸主はその性能を保証せず、一切の修繕義務を負わないものとする(現状渡し)」

この一文が書かれた契約書にサインをしてしまうと、「壊れていても文句は言いません」と認めたことになってしまいます。後から「知らなかった」「動くと言われた」と主張しても、契約書の内容が優先されてしまうのです。

3.大失敗を防ぐために!物件を見るときに必ずやるべき2つのこと

このような後悔をしないために、物件を借りる・買う契約を結ぶ前に、必ず次の2つの行動を起こしてください。

3-1.自分の目で電源を入れて確認する

不動産会社の人と一緒に物件を見学(内見)するとき、ただ部屋の広さや綺麗さを見るだけでなく、残されている家電や設備の電源を実際に「オン」にさせてもらいましょう。

  • エアコンから冷たい風(または温かい風)がしっかり出るか
  • 異音や変な臭いがしないか
  • 厨房の冷蔵庫や製氷機は冷えるか

もし電気が通っていなくて確認できない場合は、「電気を通してから再度確認させてほしい」と交渉するか、動かなかった場合の修理費用をどちらが持つかを、事前に書面で約束してもらう必要があります。

3-2.契約書の「設備」と「残置物」の区別を徹底的にチェックする

契約を結ぶ前に、どれが「設備(大家さんが直してくれるもの)」で、どれが「残置物(自分で直さなければいけないもの)」なのかをリストにしてもらい、契約書の内容と一致しているかを確認してください。

4.行政書士選びでビジネスの成功率が変わる理由

お店を開くときには、飲食店営業許可や民泊許可、風俗営業許可など、さまざまな「許認可(行政の許可)」が必要になります。これらを代行するのが行政書士の仕事です。

しかし、行政書士なら誰でも同じというわけではありません。ここでの選び方が、あなたのビジネスが円滑に進むかどうかの分かれ道になります。

4-1.一般的な行政書士に多い「マニュアル対応」

多くの行政書士は、「物件が決まった後」に、その物件が法律の基準を満たしているかを調べ、書類を作って役所に提出します。

もし、あなたが選んだ物件に先ほどのような「壊れた残置物」があっても、一般的な行政書士は不動産の専門家ではないため、何も言ってくれないことがほとんどです。「それは業務範囲外だから自己責任です」と投げやりにされてしまうケースも少なくありません。

4-2.お客様のビジネス全体に寄り添う弊所の取り組み

行政書士 上田恭兵事務所では、単にマニュアル通りに書類を作るだけの業務はいたしません。

私たちは、お客様が新しく物件を借りたり買ったりしてビジネスを始める際、こうした「不動産契約の盲点」や「残置物のリスク」についても、あらかじめ注意点としてしっかりとお伝えしています。

「法律の許可が取れればそれで終わり」ではなく、お客様がオープン後に資金ショートを起こさず、笑顔で円滑にビジネスをスタートできることが一番大切だと考えているからです。専門分野の枠を超えて、お客様のパートナーとして一歩踏み込んだサポートを徹底しております。

5.まとめ

物件選びの段階での小さな見落としが、後から大きな金銭的トラブルに発展することがあります。特に居抜き物件の残置物に関しては、「言われた言葉」を鵜呑みにせず、必ず自分の目で確認し、契約書の内容をチェックしてください。

当事務所は、手続きの代行にとどまらず、お客様の開業全体がスムーズに進むよう、親身になって寄り添います。これから開業をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

弊所では、英語でのご対応はもちろん、その他の言語でもチャット機能を用いたスムーズなコミュニケーションに対応しております。日本語でのご相談やご説明も、ゆっくりと丁寧にお話しいたしますので、どうぞ安心してご相談ください。

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執筆者プロフィール

行政書士
上田 恭兵(Ueda Kyohei)

神戸市中央区を拠点に、関西・近畿エリアを中心に活動しています。

外国人関連業務を中心に、在留資格申請、外国人雇用手続き、民泊許可などのサポートを行っています。

English inquiries are welcome.

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参考文献・関連リンク

・消費者庁ウェブサイト
・国土交通省「重要事項説明に必要な要素」
・一般財団法人 不動産適正取引推進機構「RETIO判例検索システム」

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