短期滞在と家族滞在の違いは?外国人の家族を呼ぶビザをプロが解説

国際業務(入管・在留資格)

「日本で働いているけれど、母国の両親を観光に呼びたい」
「結婚した配偶者を日本に呼んで一緒に暮らしたい」

このような場合に関係するのが、在留資格「短期滞在」と「家族滞在」です。

しかし、

  • ビザと在留資格の違いが分からない
  • 両親は呼べるのか?
  • 配偶者はすぐ働けるのか?

といった疑問で混乱する方も少なくありません。

この記事では、日本に家族・友人を呼ぶ際に重要となる

  • 「短期滞在」と「家族滞在」の違い
  • それぞれの注意点
  • 不許可を避けるためのポイント

をわかりやすく解説します。


まず理解すべき:「ビザ」と「在留資格」は別物

この2つはよく混同されますが、役割が異なります。

■ ビザ(査証)

→ 海外の日本大使館・領事館が発行する“入国のための推薦状”

■ 在留資格

→ 日本で滞在するための法的な資格(活動内容・期間を決めるもの)

イメージとしては:

  • ビザ=「入るための許可」
  • 在留資格=「日本で何ができるかを決める資格」

重要なのは、日本での生活内容を決めるのは“在留資格”だという点です。


【結論】目的で選ぶ|短期滞在か家族滞在か

まず確認すべきは、「何のために、どのくらい呼ぶのか」です。

目的選ぶべき在留資格
観光・親族訪問短期滞在
配偶者や子どもと同居家族滞在

短期滞在とは?|観光や両親を日本に招待する場合の在留資格

「短期滞在」は、観光や親族訪問など、一時的に日本へ滞在するための在留資格です。

制度の根拠は外務省が公表しています。外務省:短期滞在(親族・知人訪問)


■ 短期滞在でできること

短期滞在では、次のような活動が認められています。

  • 観光
  • 親族・知人訪問
  • 病気のお見舞い
  • 商談や会議への参加

つまり、「日本に住む」ための資格ではなく、一定期間だけ滞在するための資格です。


■ 在留期間はどのくらい?

在留期間は、

  • 15日
  • 30日
  • 90日

のいずれかになります。

原則として延長(更新)はできません。
期間が満了した場合は、必ず一度出国する必要があります。


■ 働くことはできる?

短期滞在では就労は一切認められていません。

アルバイトも不可です。


■ 申請時の注意点

多くのケースで、日本に住んでいる方が「身元保証人」となり、書類を準備します。

特に重要なのが、

  • 扶養者の収入証明
  • 招へい理由書の内容
  • 滞在日程の合理性

です。


■ 不許可になるとどうなる?

短期滞在は「観光だから簡単」と思われがちですが、審査は意外と厳格です。

一度不許可になると、同一目的で約6か月間は再申請が難しくなる場合があります。

そのため、書類の整合性や説明内容の精度が非常に重要になります。


家族滞在とは?|配偶者や子どもと日本で暮らすための在留資格

「家族滞在」は、日本で働いている外国人の方が、配偶者や子どもを日本に呼び、一緒に生活するための在留資格です。

制度の詳細は出入国在留管理庁が定めています。出入国在留管理庁:在留資格「家族滞在」

■ 家族滞在でできること

  • 扶養者(日本で働いている方)と同居できる
  • 扶養者の在留期間に合わせて日本に滞在できる

つまり、「観光目的」ではなく、日本で安定して家族生活を送るための資格です。


■ 働くことはできる?

原則として就労はできません。

ただし、「資格外活動許可」を取得すれば、週28時間以内のアルバイトが可能です。

フルタイム勤務は認められていないため、生活設計には注意が必要です。


■ 誰を呼ぶことができる?

家族滞在で呼べるのは、次の範囲に限られます。

  • 配偶者
  • 子ども

両親や兄弟姉妹は対象外です。

特に「両親を長期で日本に呼びたい」というご相談は多いですが、家族滞在では原則として認められていません。


【比較表】短期滞在と家族滞在の違い

項目短期滞在家族滞在
目的観光・訪問同居
期間15~90日扶養者と同じ
就労不可原則不可(許可で週28時間可)
両親呼べる(短期のみ)呼べない
延長原則不可更新可

よくある誤解

× 両親を日本で長期同居させたい

→ 原則不可

× 配偶者はすぐフルタイムで働ける

→ 不可(資格外活動許可が必要)

× 書類を出せば必ず許可が出る

→ 収入要件・扶養能力の審査があります


不許可を防ぐための重要ポイント

特に以下の点は審査で重視されます:

  • 扶養者の安定収入
  • 納税状況
  • 招へい理由の合理性
  • 書類の整合性

形式的に書類を出すだけではなく、「なぜ許可されるべきか」を論理的に説明することが重要です。


まとめ|大切な家族との時間を守るために

日本に家族や友人を呼ぶ場合、

  • 観光なら「短期滞在」
  • 同居なら「家族滞在」

と目的で選びます。

しかし、不許可になれば再申請まで時間がかかることもあります。特に短期滞在の場合、一度不許可になると、同一目的では約6か月間再申請ができないとされています。

この点については、外務省の「ビザ(査証)に関するQ&A(Q3.3)」でも説明されています。

大切な家族との時間を無駄にしないためにも、事前の確認と正確な準備が重要です。

ご不明点があれば、お気軽にご相談ください。