神戸・阪神間の相続対策は必要?高齢化データから見る争族リスク

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はじめに|「うちは大丈夫」が最も危ない理由

「相続でもめるのは資産家だけ」
「家族仲はいいから問題ない」

しかし、統計は違う現実を示しています。

最高裁判所の司法統計によると、遺産分割事件(家庭裁判所)の新受件数は年間約1万件規模で推移しています。
(出典:最高裁判所『司法統計年報(家事編)』

相続トラブルは、特別な家庭の問題ではありません。


1.神戸・阪神間の人口構造と相続発生リスク

日本は超高齢社会

総務省統計局「人口推計」によれば、65歳以上人口は約3,600万人、高齢化率は約29%前後です。
(出典:総務省統計局『人口推計』

約3人に1人が高齢者という社会構造です。


神戸市の高齢化率

神戸市統計書によると、高齢化率は約30%前後で推移しています。
区によってはそれ以上の地域もあります。
(出典:資料編 – 神戸市

相続発生件数が今後も増えることは、構造的に避けられません。


兵庫県の将来推計

兵庫県の将来推計人口では、人口減少と高齢化が同時進行するとされています。
(出典:資料編 – 神戸市

主な傾向は次のとおりです。

・若年世代の減少
・高齢単身世帯の増加

高齢単身世帯が増えると、

・遺言未作成のまま死亡
・財産情報の未共有
・相続人同士の疎遠化

といった問題が生じやすくなります。


2.神戸・阪神間特有の相続リスク

不動産比率が高い地域性

総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 調査の結果」によると、持ち家率は依然として高水準です。
(出典:住宅及び世帯に関する基本集計

不動産は分割が困難な財産です。

例:

・自宅評価額3,000万円
・相続人3人
・預金200万円

平等分割は難しく、共有名義になると売却や賃貸に全員の同意が必要になります。


子どもの県外流出

神戸・阪神間は大学進学や就職で県外へ転出する傾向があります。

相続発生時には、

・協議がオンライン中心
・現地管理が困難
・売却か保有かで意見が分かれる

といった対立要因が生じます。


3.一般家庭こそ揉めやすいという統計

司法統計によると、遺産分割調停事件の多くは遺産総額5,000万円以下です。
(出典:最高裁判所『令和6年 司法統計年報(民事・行政編) 』

相続トラブルは金額の問題ではありません。
感情と公平感の問題です。


4.遺言がない場合の現実

遺言がない場合は法定相続分による分割が原則です。

しかし実務では、

・不動産の共有問題
・介護寄与の主張
・生前贈与(特別受益)の対立
・再婚家庭の紛争

が発生します。

相続は法律問題であると同時に、心理問題でもあります。


5.公正証書遺言という選択

公正証書遺言は、公証人が関与して作成する遺言方式です。
(出典:法務省『公証制度について』

主な特徴:

・公証人が内容を確認
・原本を公証役場で保管
・家庭裁判所の検認が不要
・形式不備による無効リスクが低い

自筆証書遺言と比べ、法的安定性が高い方式です。


6.神戸・阪神間で特に有効な理由

地域特性と合致しています。

・不動産保有率が高い
・子どもが遠方在住
・単身高齢者の増加
・再婚家庭の存在

曖昧さを残さない設計が重要です。


まとめ

神戸・阪神間は高齢化が進む地域です。

相続は「いつか起きる問題」ではなく、
社会構造上、必ず発生する出来事です。

準備の有無が、家族関係の将来を左右します。


参考資料

総務省統計局『人口推計』
令和5年住宅・土地統計調査『住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果』
最高裁判所『令和6年 司法統計年報(民事・行政編) 』
最高裁判所『司法統計年報(家事編)』
神戸市『資料編 – 神戸市』
法務省『公証制度』