在留資格申請で絶対NG!嘘や書類の不備が招く最悪のリスクと対策
日本で暮らすため、または外国人を会社に迎えるために必要な「在留資格」。その申請手続き(認定や変更)において、最も重要でありながら、実は一番見落とされがちなポイントがあります。
それは、「申請内容に嘘をつかないこと」「書類を偽らないこと」です。
「少し見栄を張って職歴を多く書こう」「都合の悪い事実は隠しておこう」といった軽い気持ちが、取り返しのつかない事態を招くことがあります。この記事では、なぜ正直に申請することが成功への一番の近道なのか、具体的な事例を交えて分かりやすく解説します。
1.在留資格申請で「嘘・偽り」が絶対にNGな理由
出入国在留管理庁(入管)に提出する書類に嘘を書いたり、偽造した書類を出したりすることは、絶対にやってはいけません。入管は膨大なデータと独自の調査能力を持っており、矛盾は必ず見抜かれます。
1-1.「入管法」という法律で厳しく禁止されている
日本の法律(出入国管理及び難民認定法、通称「入管法」)では、偽りその他不正の手段により上陸許可や在留資格の変更許可等を受けた場合、厳しいペナルティが科されることが明確に定められています。
1-2.審査官は「過去のデータ」とすべて照合している
例えば、過去に短期滞在(観光)で来日した際の申請書や、親族が申請した際の情報などは、すべて入管のシステムに記録されています。今回の申請でそれらと違う内容(職歴、学歴、家族構成など)を書くと、それだけで「不正確な申請=嘘をついている可能性がある」と判断されてしまいます。
2.嘘や偽りが発覚したときの「3つの最悪なリスク」
もし申請に嘘や偽りがあることが分かった場合、単に「今回は不許可」で終わるわけではありません。その後に待っているのは、非常に重いペナルティです。
2-1.リスク1:せっかく申請したのに「不許可」になる
当然ですが、嘘が発覚した時点で審査はストップし、不許可になります。それまで準備にかかった時間や費用、会社での採用計画などがすべて無駄になってしまいます。
2-2.リスク2:許可された後でも在留資格が「取り消し」になる
運よく審査をすり抜けて許可が下りたとしても、後から嘘が発覚した場合、在留資格そのものが途中で「取り消し」になります。 在留資格が取り消されると、日本に留まる法的根拠を失うため、強制的に日本から出国しなければならなくなります(強制退去処分など)。
2-3.リスク3:次からの申請が「絶望的」になる
一度でも「嘘をついた人(または会社)」という記録が入管に残ると、次からどれだけ正しい書類を出しても、審査の目は非常に厳しくなります。実質的に、日本での在留や外国人の受け入れが極めて難しくなってしまいます。
3.本当によくある「嘘・偽り」の具体例
悪意がなくても、「これくらいなら大丈夫だろう」とやってしまいがちな具体例を紹介します。
3-1.具体例1:履歴書(学歴・職歴)のサバ読み
- NG例: 母国での実務経験が本当は2年しかないのに、技術・人文知識・国際業務の要件(10年や3年など)を満たすために「5年の経験がある」と会社に嘘の在職証明書を作ってもらった。
- 結果: 入管が現地調査や電話確認などを行い、偽装が発覚して不許可になります。
3-2.具体例2:経費支弁能力(お金)の証明書の偽造
- NG例: 留学生として日本に来る際、銀行の残高証明書の数字をパソコンで書き換えて、お金がたくさんあるように見せかけた。
- 結果: 銀行への照会などにより偽造が発覚。即座に不許可となり、悪質なケースでは警察に逮捕されることもあります。
3-3.具体例3:不都合な事実(犯罪歴やオーバーワーク)の隠蔽
- NG例: 母国で軽い交通違反や罰金刑があったこと、あるいは以前の留学中にアルバイトの時間を超えて働いていた(資格外活動違反)ことを、「バレないだろう」と隠して申請した。
- 結果: 入管のデータベースや課税証明書から必ずバレます。正直に書いて反省を示せば許可の可能性があったケースでも、「隠していた(嘘をついた)」という事実によって不許可になります。
4.正しく申請すれば「許可をもらえる確率は高い」
ここまで厳しいお話をしてきましたが、伝えたい最も大切なことは「最初から正直に、正しく申請すれば、許可が下りる確率は高い」ということです。
4-1.入管は「落とすための試験」をしているわけではない
入管の審査は、落とすための意地悪なテストではありません。法律で定められた条件(学歴、会社の安定性、素行の良さなど)をクリアしているかどうかを、提出された書類から真面目にチェックしているだけです。
4-2.説明が難しい事情も、理由書で「正直に」説明すれば大丈夫
「過去に少しアルバイトをしすぎてしまった時期がある」「転職回数が多くて経歴が複雑」といった不安要素があっても、それを隠すのではなく、「なぜそうなったのか」「現在はどう改善されているのか」を理由書などで正直に説明し、客観的な証拠を出すことで、入管はしっかりと耳を傾けて審査してくれます。
5.まとめ:言葉や手続きに不安があるなら、プロに頼るのが一番の近道
在留資格の申請で最も大切なのは、「正直であること」と「それを証明する正しい書類を揃えること」です。あることないことを並べ立てたり、書類を偽ったりすることだけは、絶対に避けてください。
しかし、入管の専門的な言葉や、日本の法律に沿った「理由書」を正確に日本語で書くのは、外国人本人にとっても、受け入れる企業にとっても非常に難しい作業です。
「自分の経歴の書き方に不安がある」 「嘘をつくつもりはないけれど、日本語での説明がうまくできない」
そのようなときは、行政手続きの専門家である行政書士にお任せください。あなたの状況を丁寧にヒアリングし、入管に対して「何が真実なのか」を最も分かりやすく、法律に基づいた正しい書類として作成・アピールいたします。
弊所では、英語でのご対応はもちろん、その他の言語でもチャット機能を用いたスムーズなコミュニケーションに対応しております。日本語でのご相談やご説明も、ゆっくりと丁寧にお話しいたしますので、どうぞ安心してご相談ください。
失敗して後悔する前に、まずは一度お気軽にご相談ください。
執筆者プロフィール
行政書士
上田 恭兵(Ueda Kyohei)
神戸市中央区を拠点に、関西・近畿エリアを中心に活動しています。
外国人関連業務を中心に、在留資格申請、外国人雇用手続き、民泊許可などのサポートを行っています。
English inquiries are welcome.
参考文献・関連リンク
・出入国在留管理庁:在留資格取消制度について
・出入国在留管理庁:出入国管理及び難民認定法(入管法)第22条の4(在留資格の取消し)
・内閣官房:外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応