【2026年10月施行予定】在留資格の手数料が大幅値上げへ|オンライン申請と行政書士に依頼する意味を解説
在留資格の変更・更新や永住許可にかかる手数料が、2026年10月から大幅に値上げされる見込みです。あわせて、オンライン申請の割引や、経済的に困窮する方への減額措置案も示されています。この記事では、改定の内容と、値上げの時代だからこそ知っておきたい申請方法の選び方について解説します。
1.在留手続の手数料が大幅に値上げされる見込み

1-1.現行の手数料
現在、在留資格の変更・更新の手数料は、在留期間の長さにかかわらず一律6,000円です。永住許可の手数料は10,000円で、こちらはオンライン申請の対象外となっており、窓口での納付のみとなっています。
1-2.改定案の具体的な金額(在留期間別・永住許可)
出入国在留管理庁が2026年6月24日に示した改定案では、在留資格の変更・更新の手数料が、許可される在留期間に応じて次のように段階化される見込みです。
- 3か月以下:1万円
- 1年:3万3,000円
- 3年以上5年未満:6万4,000円
- 5年以上:7万5,000円
永住許可については、現行の10,000円から20万円へと大幅に引き上げられる案が示されています(改正法上の上限は30万円)。
1-3.施行時期とパブリックコメント
この改定案については、2026年7月3日から8月2日まで、パブリックコメント(意見公募)が実施されています(e-Govパブリック・コメント案件番号315000136)。改定後の手数料は、早ければ2026年10月1日以降に受け付けられた申請から適用される見通しです。
2.なぜ値上げされるのか

2-1.背景(在留外国人急増に伴う経費)
今回の手数料引き上げは、在留外国人の急増に伴い、審査体制の強化や事務経費が増大していることを背景に、改正入管法に盛り込まれた施策とされています。手数料という形で、増大する行政コストの一部を申請者にも負担してもらう趣旨と説明されています。
3.オンライン申請と窓口申請、どちらを選ぶべきか
3-1.オンライン申請のメリット・デメリット
改定案では、在留期間が3か月以下の場合を除き、オンライン申請には最大1万円の手数料割引が設けられる見込みです。窓口に行く手間がかからず、手数料も安く済むという点は大きなメリットです。
一方で、オンライン申請には次のようなデメリットもあります。
- 申請書類に不備があっても、窓口のように職員がその場で丁寧に確認してくれるわけではない
- 添付書類のスキャン・アップロードなど、一定のパソコン操作の知識が必要
- 不許可・追加書類提出の連絡があった場合も、オンライン上でのやり取りが中心になる
3-2.窓口(対面)申請のメリット・デメリット
窓口申請は、対面で職員に確認してもらいながら書類を提出できる安心感があります。反面、手数料が割引されない、平日の日中に窓口へ出向く必要がある、待ち時間が発生するといったデメリットがあります。
3-3.手数料を抑えるためにすべて自分でオンライン申請するのは危険
手数料が上がる分、「少しでも費用を抑えたい」と考え、書類作成から提出まですべて自分で行い、オンラインで申請しようとする方が増えることが予想されます。しかし、これは注意が必要な選択です。
たとえば、こんな例が考えられます。
費用を抑えるため、専門家に依頼せず自分で申請書類一式を作成し、オンラインで提出。書類の形式は整っていたものの、在留状況を説明する「理由書」の内容が不十分で、審査官に状況が正しく伝わらず、追加資料の提出を求められて許可までに想定より時間がかかってしまった。
書類が形式的に揃っていることと、内容が審査官に正しく伝わることは、必ずしも同じではありません。
4.パブリックコメント案で手数料が安くなる人もいる

4-1.経済的に困窮する方への減額措置案
今回のパブリックコメント案では、生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に経済的に困窮しており、かつ人道上配慮する必要があると認められる方については、手数料を減額する措置も示されています。案によれば、在留資格の変更・更新は1万円、永住許可は2万円に減額される見込みです。値上げのニュースばかりが注目されがちですが、事情によっては現行より安くなる、あるいは大幅な負担増を回避できる方が出てくる可能性もある点は、あわせて知っておく価値があります。
5.手数料値上げの時代だからこそ行政書士に依頼する意味

5-1.書類の完成度チェック
行政書士に依頼する際、まず行っているのが、必要書類がすべて揃っているか、記載内容に矛盾がないかといった、書類全体の完成度のチェックです。手数料が上がったからこそ、一度の申請で許可を得られるよう、事前の精度を高めておくことの重要性は増しています。
5-2.理由書作成の重要性
なかでも特に重要なのが「理由書」の作成です。理由書は、申請者の状況や事情を、入管法や行政手続きの実務を踏まえたうえで、審査官に伝わる形に整理して説明する書類です。日本の入管法や行政手続きに精通した行政書士がこの部分にしっかりと向き合えることこそが、専門家に依頼する意味の核心だと考えています。
6.まとめ
在留資格の手数料は、2026年10月にも大幅に値上げされる見込みで、オンライン申請には割引が設けられる一方、永住許可はオンライン対象外で20万円への引き上げが案として示されています。経済的に困窮する方への減額措置案もあわせて示されており、一律に負担が重くなるわけではありません。手数料が上がる時代だからこそ、費用を抑えようと自分だけで申請を進めるのではなく、書類の完成度や理由書の内容にまで踏み込んだサポートを受けることが、結果的に確実でスムーズな道につながります。
弊所では、英語でのご対応はもちろん、その他の言語でもチャット機能を用いたスムーズなコミュニケーションに対応しております。日本語でのご相談やご説明も、ゆっくりと丁寧にお話しいたしますので、どうぞ安心してご相談ください。
執筆者プロフィール
行政書士
上田 恭兵(Ueda Kyohei)
神戸市中央区を拠点に、関西・近畿エリアを中心に活動しています。
外国人関連業務を中心に、在留資格申請、外国人雇用手続き、民泊許可などのサポートを行っています。
English inquiries are welcome.
参考文献・関連リンク
・出入国在留管理庁「在留手続等に関する手数料の改定」
・e-Govパブリック・コメント(案件番号315000136)意見募集ページ
・時事通信(Yahoo!ニュース)「外国人の在留手数料、最大7万5千円に引き上げ 永住許可は1万円から20万円に増額 政府改定案・10月施行方針」
・東京新聞「在留手続き手数料、入管庁が改定案を発表」