ビザ申請の「理由書」の書き方とは?必要なケースと行政書士に頼むメリットを解説
ご相談にいらっしゃる方のほとんどが、この「理由書」について質問されます。「理由書は必要なの?」「どう書けばいいの?」——不安に思うのは当然です。この記事では、神戸の行政書士・上田恭兵が、理由書が必要なケースの見分け方から、書き方のポイント、そして行政書士に頼むメリットまで、わかりやすく解説します。
1.理由書とは?そもそも必要なのか

1-1.更新で問題がなければ、理由書がなくても大丈夫
在留期間の更新で来られる方の中には、「大きな変更がないので、理由書を付けたことがなく、よく分からない」という方が多くいます。実は、これは特に問題ありません。
出入国在留管理庁が出している要領には、手続きに必要な書類が示されており、満たすべき条件もあります。ここでいう条件とは、たとえば「納税をきちんとしているか」「生活の実態が日本にあるか」といったことです。こうした条件にしっかり当てはまっていて、違反もなく、まったく問題がないのであれば、必要書類をそろえるだけで大丈夫で、理由書は必ずしも必要ではありません。
1-2.理由書をつけた方が安心なケース
一方で、何か不安な要素があったり、状況に変更があったりする場合は、理由書をつけておくと安心です。たとえば、次のようなケースです。
- 転職をした
- 海外に頻繁に出入りしている
- 家庭環境が変わった(結婚・離婚・出産など)
このほかにもいくつか理由はありますが、要するに「そのままだと審査官に疑問を持たれそうな事情」があるときは、理由書で先に説明しておくと、手続きがスムーズになります。
2.自分で書いてもいい。ではなぜ行政書士に頼むのか

2-1.自由に書いてOK、ただ…
仕事柄、私はさまざまな方の理由書を拝見しますが、皆さん、それぞれ自由に書いていらっしゃいます。それで問題はありません。理由書に決まった様式があるわけではないからです。
2-2.行政書士の「型」で、論理的に組み立てられる
では、なぜ行政書士に頼むのか。行政書士、特に国際業務を扱う者は、ビザ申請を専門にしており、理由書をこれまでいくつも作成しています。その中で、行政書士ごとに「型」ができあがっており、それに沿って理由書を組み立てていきます。
ですので、お客様がご自身で書かれた理由書と、私が作る理由書とでは、形式が異なります。どちらが良い・悪いということではありません。ただ、行政書士に頼めば、より専門特化した視点で、論理的に文書を組み立てられるというメリットがあると考えています。
3.理由書の書き方のポイント(具体例で解説)

3-1.具体例:就労ビザから就労ビザへの転職
たとえば、在留期間3年の途中で、Aという就労系のビザからBという就労系のビザに変わる転職をしたとします。この場合、まず転職先の会社の情報が必要になります。その会社が「カテゴリー3」なのか「カテゴリー4」なのかによっても、準備は変わってきます。
さらに、前職と比べて給料が上がったのか、下がったのか。もし下がったのであれば、「なぜその会社を選んだのか」「今後の見通しはどうなのか」といったことを、理由書で丁寧に述べていきます。このように、ビザを申請するときに「ここが不安だ」「ここを突っ込まれそうだ」という点を、あらかじめ理由書に書いておくのです。
3-2.「不安な点」を先回りして書く
一度でもビザ申請をしたことがある方なら、後日、補正(書類の訂正)や追加資料を求められた経験があるかもしれません。弊所では、これを最初からなくすことを心がけています。突っ込まれそうな点は、はじめから理由書に書いておく。こうして先回りしておくことで、申請がスムーズに進むよう手を打っておくのです。
4.理由書で最も大切なこと

4-1.筋が通っていること、そして正直であること
理由書は、筋が通ったものでなければなりません。前回の申請と今回の申請で内容が一貫していなかったり、まして嘘や虚偽のデータを持ち込んだりすれば、たとえ理由書があっても、かえって危うくなってしまいます。
だからこそ、私がいつもお願いしているのは、「私を信頼して、正直に話してください」ということです。そのうえで、行政書士が理由をうまく整えて説明していきます。これは決してごまかすためではありません。正直に、あった事実に基づいて、それを論理的に述べていくためです。
4-2.事実には「根拠」が必要
理由書に書くのは事実でなければなりませんが、根拠のない事実は意味がありません。「Aという事象があった。その根拠はBである。Bが立証でき、それが在留の要件にプラスに効いてくる。だからこれを認めてください」——理由書は、このような流れで組み立てていきます。
難しく書きましたが、要するに、理由書とは「事実を、論理的に、証拠と合わせて書く」。この一言に尽きます。
5.まとめ
理由書は、更新で問題がなければ必ずしも必要ではありませんが、転職や家庭環境の変化など、不安な要素があるときには、つけておくことで審査がスムーズになります。大切なのは、正直な事実を、根拠(証拠)とともに、論理的に組み立てて書くことです。そして、突っ込まれそうな点を先回りして説明しておくことで、補正や追加資料を防ぎ、スムーズな申請につながります。理由書の作成でご不安・ご不明な点があれば、いつでもご相談ください。
弊所では、英語でのご対応はもちろん、その他の言語でもチャット機能を用いたスムーズなコミュニケーションに対応しております。日本語でのご相談やご説明も、ゆっくりと丁寧にお話しいたしますので、どうぞ安心してご相談ください。
執筆者プロフィール
行政書士
上田 恭兵(Ueda Kyohei)
神戸市中央区を拠点に、関西・近畿エリアを中心に活動しています。
外国人関連業務を中心に、在留資格申請、外国人雇用手続き、民泊許可などのサポートを行っています。
English inquiries are welcome.
参考文献・関連リンク
・出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」
・出入国在留管理庁「在留資格の変更許可申請」
・出入国在留管理庁「所属機関等のカテゴリーについて(技術・人文知識・国際業務等)」